最近読みました。短編が9話入っています。
一番感動したのは最後のお話。
ここからはネタバレするので、これからこの本を読む人は絶対今すぐここから離れてください。
読後感は、「秘密」(東野圭吾著)のようないい話。
殺人とかは出てきません。泣ける話です。
「秘密」は私の中の東野圭吾ランキング2位の作品です。
ちなみに1位は「容疑者Xの献身」。
さあ、読みたくなった人、スターつけなくていいから立ち去ってください。
そして、図書館またはAmazonにゴー!
このお話は「水晶の数珠」という題名です。
タイムトラベルものといっていいかな。
私はタイムトラベルものが大好きなので、この物語本当に面白かったし感動しました。こんな小説を書きたいと思っています。
あらすじをざっと。
主人公は姉からの電話で父親の病気を知ります。主人公はハリウッド俳優めざして、アメリカで修業中。アメリカに渡るとき、父親に勘当されています。
父親の余命が少ないから誕生日パーティーをする、日本に一時帰国してくれという姉。
大事なオーディションの前でありながら、しぶしぶ帰国した主人公。飛行機を降り、東京に向かいます。しかし、新幹線に乗る前に、父親から電話が。主人公を怒らすようなことを言って、主人公をアメリカに追い返してしまいました。
それから三週間後、父親は亡くなり、葬儀のためにまた帰国します。
主人公の家には、代々伝わる「水晶の数珠」がありました。
通夜の午前零時、主人公はそれを受け継ぎます。
親戚たちは皆、その数珠には不思議な力があるといいます。
数珠といっしょに父親の遺言状を受け取った主人公。
遺言状には、数珠の力の説明が。その数珠、呪文を唱えると過去に一回だけ戻れるというものでした。この力は生涯で1回しか使えません。
葬儀が終わり、帰国のために新幹線に乗る主人公。三週間前に、小型飛行機が新幹線の線路上に墜落した事故があって新幹線が大幅に遅れる――という事態があったことを知ります。
そして、あのとき父親の電話でとんぼ返りしていなければ、帰りの飛行機に間に合わなくなって、オーディションが受けられなかったであろうことを知るのです。
サプライズだったはずの父親がなぜ主人公の帰国を知っていて、勘当状態ゆえ知らないはずだった主人公の携帯電話に電話をかけてきたのかーー。
主人公は知るのです。父親の思いを。そして、成功するまで、日本に帰らないと決意し、アメリカに帰っていったのでした。
おしまい