怖かった・・・
感想を書いておかないと忘れてしまうので、書いておきます。
忘れて、もういっかい借りてしまいそうなので。
子供の頃、シャーロックホームズシリーズやルパンのシリーズとかよく読んでいましたが、たくさんありすぎて同じのをまた図書館で借りてしまうことがあったので、ノートに読んだ本のあらすじを書くということをしていました。
芥川賞作品はだいたい「文藝春秋」で読みます。もちろん図書館で借ります。
実は、この「送り火」というお話、以前、途中まで読んで返してしまったのですが、たまたま図書館で見つけてまた借りて読みました。
主人公は中学3年生の男の子。
春、父親の仕事の都合で都会から田舎の町に引っ越してきましたが、その町に住むのは1年間の予定。クラスメイトとも仲良くやっていました。
風景の描写はすばらしかった。色や音や匂いが感じられました。
それとはうらはらに、中学生男子のグループで行われる危険な遊びがこの物語をどんどん不穏な気味悪いものにしていく。
ナイフを万引きする役をカードゲームで決めたり、そのナイフを保管する役をカードゲームで決めたり。
いつもゲームに負けて痛い目にあわされるのは、決まった子。
主人公は、男子グループのボスがカードを配るときに、いつも不正をしていることに気づいていました。気付いていたけどなにも言わなかった。
最後は、夏休みにカラオケに行こうと呼び出され、集合場所に行ってみると不良の先輩が大勢いて、いつも痛い目にあわされている子がいたぶられて血だらけ。その子は刃物をもってきていて反撃が始まり、主人公も狙われます。その子が一番ムカついていたのは、いじめていたやつではなくて、主人公だったのです。
血だらけで森の中を逃げる主人公。沢に転がり落ち、意識をとりもどしたが、頭は割れ、肉は裂け・・・
救いようのない結末。たぶん、主人公は死ぬ。
父親からもらった時計と母親からもらったカラオケのためのお金も先輩に奪われている。理不尽。
テーマは理不尽な暴力。
間違っても、面白かったとは言えない。怖かった。
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