東野圭吾 作 「希望の糸」を読みました
東野圭吾氏の最新作、描き下ろし長編ミステリー小説です。
私はネタバレしてから読むのが嫌で、特に推理小説のレビューとか絶対読みません。小説を読んだ後も、あまり人の感想は自分からは読まないほうです。目に入ったブログとかは読みます。検索してまでは読みません。
ですから、「希望の糸」も大好きな東野圭吾氏の最新作ということで、内容も知らぬまま、娘の高校で予約して借りてもらいました。公共の図書館で予約すると、下手したら1年半後、わすれたころに連絡がくることもあります。高校や中学で借りるのが断然早いです。おかげで、娘は本をよく借りる子になってしまっています。もうすぐ卒業なので、残念です。最新作が簡単に手に入らなくなってしまいます。
なるべく、図書室が充実している学校に進学してもらいたいものです・・・なんて親の勝手なわがままです。
「希望の糸」あらすじと感想
読み始めて加賀恭一郎が出てきたので、はじめて「加賀恭一郎」のシリーズだと知りました。加賀は刑事です。でも今回の主人公は加賀のいとこの松宮刑事です。
加賀恭一郎のシリーズ代表作は「麒麟の翼」
ネタバレなしで語ります
閑静な住宅街にある小さな喫茶店を営む女性が殺された。女性は離婚歴がある独身アラフィフ。子供はいない。
捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。その男性は災害で二人の子供を失った後、妻と子育てをやりなおすため再び子作りし、女の子を授かるが、妻を白血病で亡くしていて14歳の娘と二人で暮している。
殺人事件の捜査と同時進行で、松宮刑事の出生の秘密も明らかになっていく。
しかし、ふたつの物語は交差することはない。交差したら嘘っぽくなるから交差しなくてよいのだが。
操作の途中で犯人が自分から犯行を告白するが、動機が弱く松宮刑事は納得がいかず、捜査を続ける。そして、ある事実に行きつくと、本当に真実を明らかにすることがいいのかと自問し、胸の奥にしまっておくことを決心する。
ここからちょっとだけネタバレ
事実を伝えたほうがいいのか・・・という葛藤シーンに既視感を覚えた。と思ったら、東野圭吾氏の作品にこういうパターンが存在する。「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」。ほかにもあるかも知れないが、思い出したのはこの2作品。
「希望の糸」では松宮刑事が胸の奥にしまっておくことに決定した後、前述の常連客から連絡があり、しまっておく必要がなくなった。
不妊治療で体外受精とか、同性愛とか、いまどきだなあという感想。家族愛とか盛り込んだのかもしれないけど、読後感はまあまあでした。
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