ほおずきれいこの骨髄ブログ・2nd season

ドナー登録から骨髄提供までの体験を綴った主婦ブログ。一人でも多くの患者さんの命が救われますように。

映画「かくかくしかじか」を観にいってきました

 

 

映画『かくかくしかじか』は、漫画家・東村アキコさんによる自伝的エッセイ漫画を原作とした実写化作品で、2025年5月16日から公開中です

ネタバレあり!あらすじと感想そして思い出


 主人公の林明子永野芽郁)は、漫画家になることを夢見る高校生。美術部所属。舞台は宮崎。高校三年生になり、美大進学を目指して地元の絵画教室に通い始めます。 
 そこで出会ったのが、竹刀を手に「かけぇー!かけぇー!」とスパルタ指導する日高先生(大泉洋)。日高先生は画家です。なんとわたくし、映画を観にいく前に、漫画をいっき読みしていて、日高先生が癌で亡くなるのを知っていたから、しょっぱなから涙涙。始めから最後まで泣いていた変なやつですわ。

 わたしも美大受験した経験があるので、明子のように画家の先生のところにデッサンを習いに行ったこともあります。日高先生のように海の近くではなくて、私の場合は、滋賀と京都の間の山奥でした。受験前は、美大受験専門の予備校に通い、センター試験も受けました。あのころはインターネットがなく、身近に美大に行った人もいなくて、美大行きたいと言ったら両親も寝耳に水で、お金がかかるから他の大学に…とさんざん言われました。三者面談で県立短大に推薦できる成績だと先生に言われましたが、美術の勉強ができないなら大学なんて行っても無駄だし、それなら専門学校行きたいと。いい大学に行きたいという欲がありませんでした。ちなみに、県立短大は4年後に4歳下の妹が推薦で入りました。笑。

 うちは両親が高卒なので、子供が大学行くとは思っていなくて、高校も自転車で行けるところで評判のいい普通科に行きました。中学では美術部に入っていたので、高校でも美術部に入ろうと思っていたら、なんとその高校、美術部がなかった! それほど高校選びはいいかげんだったのです。親も生まれ育った土地ではなかったし、マイホームのために引越してきた滋賀県です。近所の子たちも行ってる高校でええやんと。

 入ってみるとその高校、ほとんど就職する人がいない高校で、私立大学や専門学校に進学する人と浪人する人がほとんどだったのですが、とにかくみんな学力が低く、その中で私はトップクラスに入ってしまい、私立ならどこでも推薦してもらえるような成績を打ち出しました。だけど、お金がかかる私立の美大に行きたいなんて言えませんでした。

 それで、自宅から通える公立の美大と教育大学の美術科を受けることにしましたが、とにかく通える範囲が京都大阪地区なので東京の次にレベルが高い。センター試験もそこそこ点数取れたので、教育大学をやめて金沢美術工芸大学の油絵科を受けるか? そこなら受かるかもしれない…と先生に言われ、親にも受けるか? と聞かれたけど、自宅を離れ一人暮らしする覚悟がなくて、受けませんでした。もちろん受けても受かっていたかはわかりません。

 結局、公立は落ちて、私立の美術短大に行きました。美大受験予備校の教室中で私よりデッサンが上手くて勉強もできた子がひとりいました。他は下手で勉強もできない子ばかり。美大目指してる人って頭悪い人多いです。そんな子たちもどこかの私立美大に受かっていきました。いや、浪人もいるかな。同じ受験生でありながら、どうしたらうまく描けるのか教えてとお願いされ、教えた子は東京の私立美大に受かって感謝されました。

 話を「かくかくしかじか」に戻します。明子は金沢美術工芸大学の油絵学科に進学します。しかし、夢は漫画家。漫画家になるのが夢だと日高先生には言えずにいました。大学では遊んでしまい絵も描けなくなってしまいます。夏休みに実家に戻り、課題の油絵が描けなくてスランプに陥っていたとき、日高先生がかけつけてくれて「かけぇー、かけぇー」と叱咤激励した場面は印象的でした。

 美大に入るために、一生懸命絵を描いて、描いて、描いて…そんな日々が終わってしまうと、もうなにも描く気力がなくなってしまうのです。すごく共感しました。明子の夢は漫画家ですから、油絵なんか何描いていいかわからなくなるの当然です。でも、日高先生のおかげで描けたんです。目の前にあるものをかけぇーって言われて自画像を描いてましたね。

 この映画を観て、昔の受験生時代のいろんなことを思い出しました。もう30年以上昔のことです。映画の時代のほんの少し前の時代になります。インターネットや携帯電話もない時代。そんな時代に、地元から出て遠方の大学に下宿させてまで通わせるなんて、親の意識が高くないと実現しません。またそれなりの財力も必要です。私立大学4年間でどれだけのお金がかかるでしょう。公立でも下宿するなら仕送りが必要になります。奨学金とかあったかもしれませんが、わたしは借金背負ってまで大学にいきたくありませんでした。なにがなんでも大学行かなくちゃという家ではなかったので、大学に対する欲はありませんでした。いまでも、大学って大金はたいて行く価値が本当にあるのかなって思います。世間では、みんなが行くから行っといたほうがいいという風潮があり、親は塾にお金をかけ子供は奨学金を借り、なんとか入学してなんとか卒業し、借金を返済している人もいます。

 大学には行ったほうがいい…と私立大学の大学院まで親のお金で通わせてもらった夫が、よくうちの息子に言っていました。そんなお金もないのに。大学に興味がない息子に、大学に行ったら遊べる、とか気持ち悪いことを言って大学を勧めていました。結局、息子は高等専門学校へ進学し、中退して、大学どころか中卒扱いに。(その後専門学校に行きなんとか専門卒に)

 大学は遊ぶところではないはずです。遊べるのはお金持ちの家庭だけです。バイトと学業をうまく両立できる人だけです。卒業したら働かなければならないので、就職活動もしなければなりません。

 早く働いてお金を稼ぎたい…そんな気持ちがあったので、私は「デザイン科」に入学したいと思っていました。「油絵科」とか「日本画科」とかでは就職できない…そう思っていたのです。映画「かくかくしかじか」でも描かれていたのですが、やはり美大は就職するひとが少なかったようです。明子は、宮崎の高校の美術の先生になれと日高先生に言われ、卒業後宮崎に帰りました。しかし、その話が白紙になり、父親のコネで就職させられ会社員として働き、あいた時間に日高先生の絵画教室を手伝います。忙しい日々を送りながら、これでは漫画家になれない、漫画家になるには「かくしかない」と一念発起し、必死で漫画を描いて応募、見事入賞してデビューのきっかけを作りました。

 東村アキコさんの漫画がとても面白いのは、大学生として過ごした年月や社会人経験があるからだと思います。わたしは東村アキコさんの作品をたくさんは読んでないのですが、初めて読んだ「偽装不倫」がとても面白くて感動して涙を流さずにいられませんでした。「海月姫」も途中まで読んでいますが、面白いです。ほかにたくさんの作品がテレビドラマ化しているので、きっと面白いのだと思います。

 わたしは、デザイン科に行きたい、浪人はしたくない、家から通えるところ、とかなり厳しい条件を自分に課しました。公立に落ちた時、浪人するという選択肢も実はありました。何年も浪人して美大に入るひともいます。しかし、私は、超めんどくさがりで勉強を続けるのが嫌でした。下に妹が二人いて、親に負担をかけるのも嫌でした。家がすごい金持ちだったら、違う人生になっていたと思います。

 明子は漫画家デビューを果たし、会社を辞め、日高先生の絵画教室も辞め、東京へ引っ越します(漫画では一度大阪に引っ越した)。「かくしかない」と漫画を描き続けて、今も面白い漫画を生み出し続けています。

 わたしはというと、絵を描くことを忘れ、今は小説を書くことに楽しみを見い出しています。漫画も小説も、人生経験が生かせて、お手本となるすばらしい作品が巷にあふれているという点で同じです。どちらも、うまくなるためには、かくしかない。かけばかくほど、うまくなっていく。かかないと、かきかたを忘れてしまう。

 映画公開前に、永野芽郁田中圭の不倫報道がありました。公開前から楽しみにしていたので、延期になったら嫌だなと思っていました。不倫ぐらいで延期にする必要はないです。不倫は犯罪ではないですから。不倫が事実なのかどうかなんてどっちでもいいことです。不倫した芸能人をマスコミは凶悪犯のように報道しますが、その後結婚して幸せになっている芸能人もいます。みんな知らずにテレビで見ていますよね。

 とにかく、映画「かくかくしかじか」、無事公開できてよかった。本当に面白かったです。大泉洋さん、すばらしかったです。あんなに個性的な大泉洋さんが、演技になると「大泉洋」がなくなって「日高先生」になるんですもの。日高先生の「かけぇー、かけぇー」、耳に残っています。

 よし! わたしも書こう! 小説を! 書籍化めざして!

 

 

 

 

 

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東野圭吾の「架空犯」を読みました

 

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こんにちは。

というか、2025年あけましておめでとうございます。

今年初のブログ更新です。

最近読んだ本、「架空犯」の概要と感想を書いておきます。ネタバレあり。

  • 著者 東野圭吾
  • 2024年11月刊行
  • 捜査に当たるのは「白鳥とコウモリ」に出てきた刑事、五代努。
  • 「真犯人の罪を被って自分が犯人になる系」のお話
  • 初めから怪しい山尾刑事が殺害された藤堂夫妻と高校時代からの知り合いだった
  • 元女優藤堂江利子は真犯人今西美咲の母だった
  • 藤堂江利子は殺されてもしかたない悪女
  • 山尾刑事は独身だが、高校時代に一度だけ江利子と関係をもったときの子供が今西美咲
  • それゆえ、山尾が今西美咲の罪を隠すために、捜査を混乱させる脅迫メールなどを送る
  • 高校時代に山尾の親友が江莉子と付きあっていたが、卒業後自殺した
  • 山尾は親友の死に責任を感じていた
  • 親友は死の前に、藤堂(当時は先生)をナイフで襲っていた
  • 最後は五代が親友の母親(老婦人)のところを訪ねて預かっていたナイフを返す

 

捜査を混乱させた山尾刑事が五代刑事のペアになるというのが偶然すぎると思ったけれど、その偶然があったから、逆に真犯人にたどり着くことができた。

その偶然がなければ、殺害して家に放火した事件の犯人として今西美咲が逮捕されていただろうか。放火は今西美咲がやったことではない。山尾がやったことだ。今西美咲は江莉子が女優になる前に産んで孤児院に預けられて育った子で、一方本当の娘のほうはもうすぐ赤ちゃんが生まれる。今西美咲の娘は不良で薬物などもやっていて、母子家庭で貧しい。江莉子は殺されてもしかたない。「殺されてもしかたない人間が殺される系」と「真犯人を庇う系」なところは、「容疑者Xの献身」に似たところがある。

五代刑事のシリーズは、これからも出していくのかな。

 

hoozukireiko.hatenablog.com

 

 

 

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東野圭吾の「クスノキの女神」を読みました

 

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こんにちは~

10月と11月はブログを書くのを忘れてしまいました。

東野圭吾の「クスノキの女神」を10月か11月に読んだので、感想を書いておきます。

この物語は「クスノキの番人」の続編。

クスノキの番人」がファンタジー系なので、こちらもそうなっております。

不思議な力を持つクスノキを使って謎が解けていったりする。

主人公はクスノキの番人(大人)だけど、少年と少女がお話の軸になっている。

少年は記憶障害を持っていて、記憶は寝るとなくなってしまう。少女とクスノキの絵本を作るという目標を持ち、苦労の末、完成した。元気なときにその幸せな気持ちをクスノキに託し、いよいよというときに、自分が託した思いをクスノキから受け取り、幸せな気持ちであの世に旅立った。

 

読んでから一か月ぐらいはたってしまったので、わすれてしまったこともあるのですが、ほのぼのしながら切なさあり、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が好きな人は好きだろうな、というお話。私、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」大好きで、映画も大好き。そういえば、映画には西田敏行さん、出てたなあ。西田さんが亡くなって本当に残念です。

 

 

 

 

hoozukireiko.hatenablog.com

 

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