ぼくは、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。罰するのが好きなんだ。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 ブレイディみかこ作を読んだ。
この本はノンフィクションで、イギリスで暮らすブレイディみかこさんが息子との中学生生活を母の視点で綴ったエッセイ。人種差別やいじめ、貧富の差…いろいろなことを考えさせられる。
今すごく売れている本だが、笑えるから面白いというのではなくて、日本にしか住んだことない私にとって知らないことが多くて、興味深くて面白かったというか読んでよかった本。
ブレイディみかこさんは日本人(イエロー)、夫はホワイト(何人だったかな?)。息子はイエローとホワイトのハーフ。ハーフといえばよいのかダブルといえばよいのか。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」という言葉は息子さんのノートに書いてあった言葉だ。
それよりも、
ぼくは、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。罰するのが好きなんだ。
という息子さんの言葉、それが真理かもと思った。
女子プロレスラーの木村花さんがSNSの誹謗中傷に悩み、自ら命をたったこと。
ツイッターでポテトサラダが話題になったこと。
自粛警察による過剰な嫌がらせ行為。
すべて、自分が正しくないと思う者に対しての制裁。
法律で罰せられない者を自分が罰してやるというねじ曲がった正義感。
不倫や浮気なんてどうでもいい、めずらしくもないことをさも悪いことのように報道するマスコミ。
悪そうに見える人をみつけては叩く。
人を罰することで、自分は立派な人間だと思い込んでいる?
あなた、それほど立派な人間ですか?
罰せられるべき人間だと勝手に決めて、罰せられるべき人間だから何をしてもよい、そんなことはありえない。死ねばいいのになんて軽々しく言うもんじゃない。
いじめや貧富の差は日本にもある。
幼稚園から大学まで私立に通っていた人には想像できないだろうと思う。1クラス40人いれば、貧乏な人が数人はいる。
都会では駅前のマンションに住む子供たちが多く通う学校のレベルは公立であっても高いし、駅から離れたところや公営住宅が多いところはレベルが低かったり。
都会には人種差別もある。息子が小学生のとき学校に黒人の女の子がいた。黒人に見えるけれど、ハーフだったのかもしれない。背が高く走りが早く、運動会ではリレーの選手になっていた。
ぶっちぎりの早さで走る彼女を見て
「あれは、ズルいだろ〜」というジジイの声が聞こえた。
彼女はひとりの小学生。ズルいもなにもない。
黒人という色眼鏡で見ているのだ。聞いていてなんとも気持ち悪かった。
もしかしたら田舎で育つと多様性を簡単には体が受け入れないのかも。
ブレイディみかこさん著の「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」、
中学生、高校生に読んでもらいたい本だ。
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