「女による女のためのR-18文学賞」の2022年と2023年の受賞作品を「小説新潮」を図書館で借りて読んでみました。「小説新潮」5月号に、受賞作の2作品が掲載されています。歴代受賞者で作家として活躍してる作家の競作も掲載されているので参考になります。
2022年大賞 「救われてるんじゃねえよ」上村裕香
主人公は女子高校生。難病の母と散財癖のある父と貧乏な暮らし。救いのない状況でも作品に暗さはない。主人公は、狭い家の中で父と母が性交をしているのを知っている。主人公がしないパターンの物語もありなんだなと思った。すごく完成された物語で文学的だった。
2022年友近賞「いい人じゃない」古池ねじ
いい人なのか、いい人じゃないのか。主人公は、いつも親身になってくれて、いわゆるいい人の親友が自分の元夫とラブホテルに行ったことを知っている。物語の最後で語られる。久しぶりに連絡してきた友人がマルチに誘ってきた。いい人じゃないかもしれないけど、主人公にとってはこちらの友人のほうが好き。
泥沼とか濡れ場はないので、普通の文学作品に思えた。R-18じゃなくてもよいのでは。
2023年優秀賞「鬼灯の節句」仲谷美織
主人公は女子高生。祖母と田舎に暮らす。質素な生活をしている。彼氏は同級生で地元のお金持ち。山の中にある小屋でいつも性交をしていたが妊娠してしまう。鬼灯を食べ冷水に入り堕胎を試みる。
2023年友近賞「ゴーヤとチーズの精霊馬」義井優
主人公は一年前に母を亡くし、古い家に一人で住む成人女性。夏休みに父親の再婚相手の連れ子の小学生の女の子を預かることに。その女の子、掃除、洗濯をこなす「おばさん子供」。一方、主人公は母の思い出に浸りながら古い家に住み働きにもでていない「子供おばさん」。女の子が古い家に来たかった理由がわかっていく。
この作品もR-18の必要があったのか。
昔の受賞作で私が読んだ作品はもっと攻めていたのに、こんな感じなら普通の文学賞として18歳以下でも読める。
最近の受賞作を読んでみて、「女による女のためのR-18文学賞」がよくわからなくなってきた。次回の応募要項が見つからないので、とにかくいま書き始めた作品を仕上げていきたいと思う。
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