ほおずきれいこの 骨髄ブログは骨髄提供の体験を綴るブログです。
内容は噂に聞いていて、ネタバレもしていたのですが、読んだことがなかったので読んでみました。
名探偵コナンのファンなら携帯発信音の「カラスの子」がキーワードだった時代を知っていると思いますが、いまやコナン君もスマホを持つようになり、「カラスの子」は意味をなさなくなりました。
この本のキーワードは終始「50歳」なのですが、いまは「54歳」なのになぁと思いながら、でも時代は変わったんだし仕方ないなぁと。コナンの初期のお話を読むときのような感覚ですね。2002年に書かれた作品だからです。
ここからは、ネタバレです。
アルツハイマーの妻を殺して、自首してきたのは49歳の現職警察官。
子供はいない。13歳で白血病を患いこの世を去っている。
妻を殺した後、自殺を図ろうとしたが、歌舞伎町に何かをしに行った。
しかし、行ったことさえ語ろうとしない。
部屋には「人間五十年」と書かれた書が残されていた。
警察用語で完全に“落ち”ない状態の“半落ち”状態。あいまいなまま刑は確定。
歌舞伎町での空白の二日間が謎のまま物語は佳境へ。
主人公格の刑事が、真相をつきとめ、服役中の元警察官のところへある青年をつれていく。
その青年は、妻殺しの元警察官が過去に骨髄提供した相手だった。
50歳までは生きようと、自殺をやめて自首したのは、
もういちど骨髄ドナーになれる可能性を残して、
誰かの役に立ちたいと思ったからだった。
51歳の誕生日になるとドナー登録は取り消しになる。
歌舞伎町に行ったのは、自分が骨髄を提供した相手が、
元気になって歌舞伎町のラーメン店で働いていることを知って、
(新聞の投稿欄でわかってしまったという)
探しにいったのだ。自死の前にひとめ会いたいと・・・。
そして、元気に働く姿をみて、自殺を思いとどまり自首。
こっそりラーメンを食べて帰ったらしいのだが、青年はなんとなくわかったという。
最後は青年が元警察官を「お父さん」と呼ぶ。
とまあ、こんな話。
正直、感動しなかった。
骨髄提供した相手が、亡くなった息子と同じぐらいの年であることを
勘案しても、妻を殺した後わざわざ新幹線に乗って、探しにいくかなあ?
店の場所もわからないのに。
しかも、来るかどうかもわからない、骨髄バンクからの適合通知を待つために、自殺をやめるかなあ? 私だったら、初志貫徹、すぐ妻のもとに行く。
愛しているからこそ、妻の殺してほしいという願いに応えたのだから、
いっしょにいかなくてどうする。
骨髄提供がすごく尊いことのように書かれていますが、提供した立場で言わせてもらうとたいしたことではないっす。
提供した相手が元気に生きている様子見に行ってなんになる? 完全に自己満足。
心の中で感謝されたいとか思ってるの? 死んだ妻ほったらかしてすることか?
とまあ、こんなひねくれた感想です。すみませんね。
最後の種明かしまでが長い。
刑事や、検事、新聞記者など複数の目線で書かれているので、時間がなかなかすすまない。骨髄提供したというネタバレ気味で読んでいたので、まだかまだか…と思ってしまった。
小説では、感動はなかったけれど、
映像作品ならいいかもしれないと思いました。
(見てないけどフォロー)
2019年5月3日現在、
ドナー登録できるのは、
18歳以上54歳以下です。
提供できるのは20歳以上55歳以下です。