せつないです。
お義母さんは、15年ほど前、お義父さんがなくなってから滋賀県で独り暮らしをしてきました。昨年の冬、体調を崩すまでは…
滋賀県で独り暮らし…といっても、新興住宅街で、都会同様に、一戸建てがひしめいていて、近所では建て替えて3階建てにするお宅もあるようなところです。
隣には、同じくご主人に先立たれた奥さんがいて、その隣には奥さんに先立たれたご主人がいて、そのご主人の運転で三人で遊びに行ったり、助け合いながら、15年間暮らしてきました。去年の秋までは…
15年間、何事もなく独り暮らししてきたわけではありません。骨折して入院もしましたし、癌も患いました。京都には夫の兄である長男家族が住んでいて、車で一時間弱なので、いろいろと面倒は見てもらっていました。
去年の12月、長男家族がいっしょに旅行に行くためにお義母さんを迎えにいったら、旅行に行く用意もせず、薬を机にならべてぼうっとしていたらしいのです。それが、お義母さんの異変に気付いた最初の出来事でした。
これはただ事でないと、すぐ受診。認知症が疑われたのですが、検査の結果、認知症ではなく、うつ病の可能性があるとのことでした。もう独り暮らしは難しいと医者に言われたこともあり、入院したまま、入居できる施設探しが始まりました。施設が決まるまでは入院生活でした。年末年始は東京に住んでいる夫の姉の家族の所に滞在しました。東京に来るのも、以前はひとりで新幹線に乗り、来ていたのですが、送り迎えが必要になっていました。
年末に、東京まで会いにいきましたが、以前のような覇気がなく、すっかり小さくなっていました。わずか5か月ほど前、癌の手術で入院していた夏は、病院に見舞いに行きましたが、とても元気だったのに・・・。
認知症というレベルではありませんが、やはり、もの忘れや思い違いなどが起こるようです。足腰もすっかり弱くなり、ゆっくりしか歩けませんでした。
お義母さんは、まだ80歳にはなっていません。こんなに急に衰えるとは思ってもみませんでした。夫のおばあちゃんが、三年前、99歳で亡くなるまでは元気だったことを考えると・・・
一番、辛いのはお義母さんだと思います。まさか、入院してそのまま施設に入居するなんて思ってもみなかったでしょう。デイサービスも利用したことがないぐらい元気で、介護なんてまだまだ先だと本人も周りも思っていました。
実家にはたくさんの植物が植わっていて、植木鉢もたくさんありました。長期で留守にするときは、必ず隣の奥さんに水やりを頼んでいました。その植物はどうなってしまったのでしょう。夏の間中、隣の奥さんに水やりを頼むわけにもいかなかったと思います。たくさんの心残りがあったけれど、いつかまた家に戻れると信じていたに違いありません。施設は仮住まいだと・・・
ペットを飼っていなかったのは幸いです。親族、だれもペットを預かれるような家には住んでいません。誰も飼えない場合は、里親を探したりしなければなりません。里親が見つかればよいのですが。
老人ホームといっても、ワンルームマンションのような作りらしいです。新型コロナのせいで、日帰り旅行などのイベントはすべて中止。お買い物や食事の準備、植物の世話などして忙しく暮らしてきたのに、やることがテレビをみることしかなくなってしまいました。それでも今まで未婚で子供もいないのならあきらめもつくでしょうけど、近くには長男家族もいて、孫も6人いるのに、会えない。考えるとせつないです。
お義父さんが生きていた時は、将来はいっしょに住んでほしいという意味をこめて、長男に家をやるということを言っていたらしいですが、子供が小学校に入るタイミングなどライフサイクルが変わるときには、お義父さんはもう亡くなっていて、お義母さんも元気だったので建て替えるタイミングを逃してしまいました。しかたのないことです。
現在は、家に家具や電化製品が一式残ったまま、空き家です。もう誰も住むことはないでしょう。売りに出したとしても、解体して更地にしないと売れません。考えるとせつないです。
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